また「弱さ」とは、単に弱いことだけを指すのではありません。「弱さ」という感覚世界がつくり出す感情と深く関わることでもあります。~中略~ こうしたものや状況がつくり出す情感は、けして傲慢な心、攻撃的で凶暴な心から生まれるのではなく、そこにはやさしさと憂い、寂しさと侘びしさ、はかなさと移ろいやすさなど、慈しむ心が潜在しています。そもそも人間とは、さほど強いものでもありません。移ろいやすく気まぐれで、傷つきやすくて脆いものです。そうした人間を取り巻く世界は、近代のいうところの合理性とはだいぶ違うものです。